広がる丸いかたち

月イチあーと教室  2026.2

今年最初のプログラムは、「広がる丸いかたち」
身のまわりの“丸”って何があるだろうとみんなで考えてみると、ボタン、しゃぼんだま、目、指紋……いろんな丸が出てきました。
視線をもっと遠くに向けてみると、惑星や地球、宇宙の丸さまで思い浮かんできます。


ひとつの丸から、どこまでも広がっていく想像する時間を楽しみ、そんな広がりを楽しみながら、オイルパステルでそれぞれの「丸」を描きはじめました。

この作品は、月イチあーと初参加の3歳?4歳になる作品です。描いているうちに、おにぎりがでてきて、梅やサケが具になり・・。お米がイメージされた作品で描いている時はおなかがすいた~と言っていましたね。なんとも美味しい作品です。

形も、大きさも、色も、描く速さも


「丸を描いてみよう」と声をかけた瞬間から、みんなの丸はすでに違っていました。
よく「参考作品に似てしまう…」なんて話も聞くけれど、臨床美術のプロセスでは、そんな心配はいらないようです。
最初から、その人だけの丸が描かれていきます。

オイルパステルから生まれるかたち

今回は初めての方も多くて、オイルパステルの楽しさをそのまま味わってもらえた気がします。
描いたり、混ぜたり、削ったり、こすったり。
持ち手に紙がついていないので、寝かせて描くこともできます。
触り方ひとつで表情が変わるのが、この画材のおもしろさ。
画材をきれいに使うことも大事だけれど、
ここではそれより“夢中になれる時間”のほうを大切にしたいなと感じています。
その夢中の時間が、自然と自分だけの世界を広げてくれるんですよね~。

ゆっくりと線を太くしていく子。
手をずっと動かし続けて止まらない子。
細かい点々を楽しんでいるうちに、それがお米に見えたり、
えだまめみたいに見えて、リズムよく並べてみたり。
描いているあいだ、みんなの頭の中ではいろんな想像が広がっていて、
隣に座っている人にはその世界が見えないんですよね(笑)

作品鑑賞ちょっとひろげて

制作と鑑賞のあいだには、少しだけ準備の時間があります。
その間は休憩のような時間で、描き続けてもいいし、終わった子は外へ走りに行くことも多いです(笑)
その横で、ほかの作品を眺めたり、保護者の方がふらっと近くで作品を見ていました。
かまえずに自然に鑑賞している、この風景がとてもいいなと。また、まだ少し緊張している子が、「この作品、ちょうちょみたいに見える」と感想を伝えてくれたこも嬉しかったです。

保護者の方も、回を重ねるごとに作品を豊かに受けとめてくれるようになってきた気がします。
だからこそ、ときどき作品について感想を聞いてみたりもしています。
親子のあいだだけでなく、ほかの人からの言葉が自分のもとに届くのは、やっぱり嬉しいもの。
この小さな対話を、これからもっとひろげていきたいなと思っています。

作品はどんどん変化する

作品はどんどん変化していくもの。
それと同じように、描いている人の想像もつねに動き続けています。
完成を最初から決めているのではなく、作りながら完成へ向かっていくんですよね。
その変化の道のりは、描いている本人にしかわからない。
できあがった作品を見て、「あれ、こんなふうになったんだ」と思うこともあります(笑)
最後に向きを変えてみると、またまったく違う作品に見えてきたりして、
“今のこれがいい” と思える瞬間を大切にしたいなと感じます。