星座のアラベスク

月イチあーと教室  2025.12

今年最後の月イチあーと教室のプログラムは「星座のアラベスク」点・線・面を使ったシンプルなプログラムですが、豊かな世界観が表現され、あっという間に時間が過ぎていきました。

アラベスクをあらためて調べてみると、植物(蔓や葉)や幾何学図形をモチーフにした、左右対称の繰り返される装飾文様のこと。音楽やバレエでも「華麗な装飾性」を表す言葉として使われます。

線の表情さえも一人ひとり違っていて、その違いが魅力となるものでした。

冬の星座について、図鑑や絵本を開いてみると、星にとても詳しい子もいれば、初めて知る名前に目を輝かせる子もいます。
今回のプログラムでは星座そのものを描くわけではありませんが、星座という入り口から、ひとりひとりの想像の世界がふわりと広がっていくといいなと。
星座、神話、季節、宇宙……
様々なキーワードが生まれてきますね。
まずは「自分が知っていること」「心に残っているイメージ」をそっと見つめる時間が大切で、その小さな“知っている”が、創造するきっかけになるのではないかなと。

始まりは、宇宙の星を点で描いていくところから。
ただそれだけのはずなのに、こんなにも個性があふれ出るのかと驚かされました。
私が描く“星の点”とはまったく違っていて、点の大きさ、ペンを置く強さ、間の取り方……本当に細かいところなのに、その違いがはっきりと表れるのです。

点て、ペンを紙にぽとんと落とすように、あるいはぎゅっと押し付けるようにして描いていましたが、子どもたちの中には、点をぐるぐると描いている姿にとても感動しました。出だしから感動しすぎて、今回は本当に刺激が強く興奮状態でしたね。(毎回そうなのかもしれませんが。)

さらに、線で星と星を星座のようにつなぎ始めると・・・もうみんなは自分の世界へ出発!そんな様子でした(笑)

10歳以上の子どもたちの作品一人ひとりのこだわりがはっきりと受け取れる気がします。また、背景の黒(余白)もまたそれぞれの面白さが感じられます。

鑑賞会でも、それぞれの魅力を十分に味わえたように感じました。
他の人の作品をしっかり見ることができるのは、自分の作品も誰かにしっかり見てもらえたから。


そんな“見る・見られる”の連鎖が、静かに広がっているような気がします。
一人ひとりの魅力を言葉にして伝えることで、聞いている人も自然と「他の人の作品の魅力」を自分なりに感じ取れるようになっていくのかもしれません。


ついつい口にしてしまう「上手い!」という言葉。


もちろん尊敬の気持ちがこもった言葉ではあるのですが、もう少し違う言葉で、自分が感じたことをそのまま伝えられるといいですよね。
自分が感じたことを大切にすること。そして、その感じ方が人と違っていて当然だということ。

鑑賞会は、そんな“いろんな感じ方”が並んで存在できる場であってほしいと思っています。
みんなの前で言えなくても、誰かの言葉をそっと聞くだけでもいい。
その時間が、作品を見る目や、自分自身の感じ方を育ててくれるのだと感じています。