お絵描き昆虫採集

月イチあーと教室  2025.11

お絵描き昆虫採集
今回のプログラムは、3匹の昆虫がひとつのカゴに入ったようなユニークなもの。
どんな虫が生まれるかは、描いてみるまでわからない――今日の虫と明日の虫はきっと違うはず。そんな「予測できない楽しさ」を子どもたちと一緒に体験しました。
完成した作品を並べると、まるで昆虫標本のよう。

ひとつひとつが個性的でありながら、不思議な一体感も感じられます。鑑賞する人も自然と想像を膨らませ、「この虫はどんな森に住んでいるのかな?」「どんな動きをするのかな?」と物語を紡ぎたくなりました。

「今描きたい!」――その気持ちを大切に。


プログラムの説明を理解するのは、まだ小さな子には難しいこともあります。でも、説明よりも先にあふれ出す「描きたい!」という衝動こそが、大切。
彼女は楽しそうに虫を次々と描き出し、自分だけの世界を広げていきました。線や色が重なり合うたびに、目の前に新しい物語が生まれていくようで、見ているこちらまでワクワクします♪
子どもが「今」を楽しみながら表現する姿は、結果よりも過程を大切にすることの意味を教えてくれます。

今回は一部の会ですが、いつも見守ってくださるお母さんにも参加していただきました。
普段はそっと見ているだけのお母さんが、いざ手を動かしてみると、とても楽しそう!その夢中な姿に、子どもたちも負けじと気合が入り、場全体がぐっと熱を帯びていきました。(笑)
親も子も、それぞれがのびのびと真剣に取り組む姿。お母さんの集中が子どもを刺激し、子どもの挑戦がまたお母さんを笑顔にする――そんな循環が生まれていました。
この時間は、親と子が「大人と子ども」という関係を超えて、一人の表現者として並び立つ時間はアートの時間だからこそ!ではないでしょうか。

今日のアート教室を楽しみにしてくれていた子は、どんな昆虫を描こうかずっとイメージしていたそうです。
ワクワクした気持ちを胸に取り組む子、大好きな昆虫のリアルさを組み合わせて表現する子、画材から生まれる色やスクラッチ技法の楽しさから新しい昆虫を生み出す子――それぞれの世界が広がり、多彩な魅力でいっぱいになりました。

鑑賞会では、子どもたちの作品をさまざまな視点から味わうことができました。昆虫の名前を聞くと、思わず笑ってしまうユニークなものや、驚きのある名前もあり、会場全体が楽しい空気に包まれました。

ワリバシムシ・デンキムシ・ドングリムシ・モジムシ・スタームシ・ダルマムシ・ホウセキムシ・・・

「どんな木にとまるのかな?」「何を食べるのかな?」――そんな問いかけをしながら作品を眺めると、鑑賞者自身も物語の世界に入り込んでいくようです。

作品を飾ることで、子どもたちの創造力だけでなく、見る人の心にも新しい物語が芽生えます。非日常を一緒につくり出すような豊かな時間を、作品を通して感じてもらえたら嬉しいです。