たまねぎをつくる

月イチあーと教室  2025.10

10月のプログラムはたまねぎをつくる。

本物のたまねぎを観察しながら、皮を一枚ずつむいていくと…その中には、また皮、また皮。まるで入れ子のように続く構造。知ってるようで知らない玉ねぎを粘土と和紙を使って、自由に表現しました。

皮をむき始めると止まらなくなる4歳さん。いつも以上に集中する姿にびっくりしました。(笑)

特別な素材

今回のプログラムでは、普段あまり使わない粘土や和紙を取り入れました。
和紙は種類も豊富で、特に極薄の和紙は少し扱いにくかったかもしれません。でも、色が重なり合い、透けていく様子はまるでたまねぎの薄皮のよう。光を通す薄い和紙に、「わあ~きれい!」という声もありました。

手で感じる、形の存在感

形をつくり和紙で色を重ねる。絵具での表現とはちがい、手に持って、角度を変えて眺めながら制作することで、子どもたちは“形の存在感”をじっくりと味わっていました。手にもって制作するってまた楽しいですよね。和紙以外にも使用した素材からインスピレーションを受けて、それそれぞれが「面白い!」と思う工夫をこらしていく様子はとても興味深く、素材との対話がそのまま表現の広がりにつながっていました。

たまねぎの皮だけを丁寧に重ねていく子。和紙の色合いに惹かれて、透ける美しさを探る子。

「本物を見本にする」のではなく、「本物から感じるものを表現する」ってことですね。

感じる力がかたちになる

たまねぎの形や色、質感に触れながら、自分の面白いな!やこうしてみよう!を表現していく。挑戦的なものもありますが、失敗もまたなんとかっして納得いくように仕上げていく。そんな繰り返しが、創造する力を育んでくれるのだと思います。

素材と対話しながら、自分とも対話しているんでしょうね。制作している姿は真剣ですてきな姿だな~と。こうした時間は、子どもだけではなく、大人も必要な時間だなと。日常の中の一コマを「楽しめる」「面白がる」ことができると豊かさもひろがっていくように思います。